はじめてのコミケ前編
きっかけは、絵描きのAという友人が「今度コミケ行く」と言い出したことに始まる。
オタク必須単位としていつかコミケにはいかなくてはと思っていた。今がチャンス。
私「俺も連れてけ」
A「なら○○駅に四時半集合」
四時半。四時半!?
当然午前である。ゆるく午後から参加とか考えていたが、初参加にして始発組。
○○駅は私の家から自転車で一時間くらいかかる。最寄り駅は始発が五時なので間に合わない。
冬の寒空を自転車で一時間・・・
面白くなってきやがったぜ!(白目)
午前三時起床。
寝付けなくてこの時間になったことはあるが、朝としてこの時間を迎えたのは生まれて初めてだ。
就寝時間が短かった分、お布団が温まっていなかったので即座に離脱。お布団に完全勝利して支度に向かう。これは幸先がいい。
しかし続く洋服との試合で、冬の深夜帯の寒さ、家族を気遣って電気をつけられないことによる手間取りで冷気による大ダメージを受けてしまった。いつもならコタツに放り込んで完勝しているのに。深夜出発の恐ろしさ。異質な状況を生かしてきた洋服には敵ながら天晴である。辛くも勝利して時間通り家を出る。
一切車の走っていない道を行く。いつもは軽車両だから歩道を行くな路側帯を行けと言われる自転車だが、今回はもはや車道を走れる。軽車両の面目躍如だ。
流石にこの時間ともなるとコンビニくらいしか開いてない。朝ご飯を調達しておいてよかった。
待ち合わせの駅に到着。しかしまさかの駅が開いてない。シャッターの閉まった駅を初めて見た。しかしこれは死活問題だ。そもそも待ち合わせ場所に入れない。
Aと合流
私「ちゃんと四時半に来たぞ」
A「遅刻すると思って30分早く教えたんだけど・・・」
そこは信頼してくれ友よ・・・。初めて行く場所には超早く来るんだ私は・・・。
もう一人の同行者、Aの友人とも合流。コミケ数回目の猛者である。
今回のコミケは、右も左もわからぬ我々のために、彼の作戦の下行動することになる。
始発の電車をスルーするAの友人。一体なぜ?
「次の電車でもビッグサイト前に最速でつく電車に乗れるんだ。後から乗った方がドア前に待機できて早く到着できる」
プロの動きだ・・・!心強すぎる・・・。海外ロケの現地スタッフ並に頼りになる・・・!
彼の思惑通り、ドア前で国際展示場駅に到着。駅から出ると待機していたスタッフさんから即指示を受ける。
「コミックマーケットに向かう人は手を挙げてください~!」
言われるがままに手を挙げて人並みに流される。
流されていく途中、ローソンが見えた。かの有名な展示場前ローソンである。おにぎりと水で棚が埋まっているというのは本当なんだろうか?確認したかったが、人の波から抜けられる状態じゃない。電車内で語っていたところ、Aの友人はガチで欲しい新刊を買うために始発を待ち合わせに設定したそうなので、ローソン寄りたいとか言ったら殺されるかもしれない。コミケは修羅の道なのである。
スタッフの方々による見事な誘導で、会場前に到着。この時点で大体六時くらい。
ここから八時半まで動きがないらしい。さあ、ここからが本番だ・・・
次回に続く!