トウブ放送局

ちゅーけんと言います。ただただ思いついたことを書いていきます

電車内の液体X

通勤通学のために電車に乗っている方は多いと思う。かくいう私もその一人で、毎日毎日二時間ほど電車内で過ごしている。流石にもう窓の外の景色に新鮮味などないし、広告を見るのも代わり映えしないので、基本はスマートフォンで時間をつぶしている。

周りの人々もそのような時間のつぶし方をしてる人が多いようで、めったに事件など起こらない。

今日はそんな平和な電車内で起きた、ささやかな葛藤の話をしよう

 

ある日のことだ。

帰りの電車に乗り込んだ私は、連日作業の疲れもありどうしても座席に座りたかった。

ところがこういう日に限って座席という座席が埋まっていた。満員というわけでなく、立って吊皮につかまっている人が少ない。普段なら二つ三つ座席が空いててもいい密集度である。

疲れのピークだった私は「今日は意地でも座る。」と心の中で決め、ほかの車両に移ることにした。

車両を移ると、座席の一つがぶっ壊れているのを発見した。ははーん、なるほど。これが座れなくて密集度が上がったわけだ。

車両間をうろちょろしながら座れる場所を探していると、三人分座れる場所を発見した。これはありがたい。真ん中に座れば隣の人に気を遣う必要がない。

しかし周りの立っている人々は座る様子がない。なんだ?健康に気を遣う派閥なのか?

座席に近づいて、気が付いた。

席の足元に、謎の水たまりができていたのである。

電車内の水たまり。真水でないことが約束されているような液体だ。よくて飲料水。悪くて・・・。

 

ここからが周囲との心理戦である。

「どこだ・・・こいつらが座らないラインというのはどこだ・・・」

一見、液体は透明で悪臭もない。誰かが踏んだ様子もないのでべたつくかどうかは不明。ここ最近雨は降っていないので雨水の可能性は薄い。

周囲が遠巻きにしている理由は不明。単純に靴が濡れるのを嫌ったのか、それともこの水たまりが出来上がる過程を見たのか。

おいそれと手を出しにくい・・・。悪臭がない以上、最悪の可能性は少ないとはいえ、粘着質な物体だとちょいとへこむ。この水たまりを作った人物は、車内で飲み物を飲んでこぼす程度に幼いと仮定すると、糖分が含まれている可能性は高い。透明で糖分を含んだ液体というとサイダーだろうか。一番べたつくやつじゃないか。

とはいえ泡立ってる様子もない。いや、しかし・・・

 

不安がってる間に、後から乗ってきた人がすっと座ってしまった。水があることにも気が付かなかったようで、思い切り踏んでいる。

心配になったが、席が埋まった以上いつまでも目の前にいて考えても無駄なので、空席を探しにまた車両を移動した。

 

結局、あの液体が何だったのかは不明である